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COLUMN
2023.04.27

石工事業の建設業許可をとる!工事内容や要件を解説

石工事とは、石材の加工または積方により工作物を築造する工事、または工作物に石材を取り付ける工事のことをいいます。

文字通り石材を取扱う工事ですが、とび土工工事やタイルれんがブロック工事業など、類似業種の判定が難しい業種でもあるので、石工事業の工事内容についても解説していきましょう。

この記事では、石工事業の建設業許可を取得することを考えている人のために

  • 石工事業が必要なケース
  • 石工事の具体的な工事内容(業種の判定について)
  • 専任技術者の要件(資格・実務経験)
  • 実務経験の証明方法(必要書類)

について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

石工事業の許可が必要なケースとは?

石工事業の許可は、500万円以上の「石工事」を請負うのに必要となる許可業種で、27種類の専門工事業のうちの1つです。

元請業者として、石工事を請負い、下請業者に合計4,000万円以上発注する場合は、石工事業の特定建設業許可が必要となるので注意しましょう。

特定建設業許可の詳細はこちら

石工事の具体的な内容

石工事とは、一般的に次のような工事と定義されています。

  • 石積み工事
  • 石張り工事
  • コンクリートブロック積み工事
  • コンクリートブロック張り工事

コンクリートブロックに関する工事については、「石工事業」「とび土工工事」「タイルれんがブロック工事業」との区分が難しいですが、国土交通省の業種の判定において以下のとおり分類されています。

石工事業に分類されるもの

  • 建築物の内外装として擬石等を張り付ける工事
  • 擁壁としてコンクリートブロックを積む工事
  • 擁壁としてコンクリートブロックを張る工事
  • 法面処理としてコンクリートブロックを積む工事
  • 法面処理としてコンクリートブロックを張る工事

とび土工工事業に分類されるもの

  • 根固コンクリートブロック据付工事
  • 消波コンクリートブロック据付工事
  • プレキャストコンクリートの柱梁等の部材設置工事

タイルれんがブロック工事業に分類されるもの

  • エクステリアとしてのコンクリートブロック工事

【よくある誤解に注意】一式工事の許可があれば石工事業を請け負えるわけではない

「建築一式や土木一式の建設業許可を受けていれば、石工事も金額制限なく請負える」という誤解が非常に多いのですが、一式工事業の建設業許可をもって金額制限なく請負えるのはあくまで「一式工事」のみです。

例えば、新築等の建築一式工事ではなく、外装石工事をメインとして請負う場合は、建築工事業ではなく石工事業の建設業許可が必要となるので注意しましょう。

石工事業の専任技術者要件

建設業許可を受けるには、業種ごとに一定以上の資格または実務経験を有する人を営業所に配置しなければなりません。

石工事業の専任技術者になれる資格

  • 一級土木施工管理技士
  • 二級土木施工管理技士(土木)
  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 技能士
  • 監理技術者資格者

技能士の場合

検定職種が

  • ブロック建築
  • ブロック建築工
  • コンクリート積みブロック施工
  • 石工
  • 石材施工
  • 石積み

に限ります。また、二級の場合は合格後3年以上の石工事に関する実務経験が必要です。

特定建設業許可の場合

特定建設業許可の場合は、

  • 一級土木施工管理技士
  • 一級建築施工管理技士
  • 監理技術者資格者

の資格を有する人が専任技術者になることができます。

実務経験により専任技術者になる場合(一般建設業)

上記のような資格がなくても、石工事の施工について10年以上の実務経験を有する人は、石工事業の専任技術者になることができます。

また、石工事業に係る指定学科の高校を卒業している場合は卒業後5年、大学を卒業している場合は卒業後3年の石工事に関する実務経験を有していれば、専任技術者になることができます。

石工事業に係る指定学科

  • 建築学
  • 土木工学

上記の学科の高校または大学を卒業している場合は、必要な実務経験期間の短縮が認められます。

建築学と土木工学に関する学科として認められる具体的な学科名には次のようなものがあります。

建築学に関する学科
環境計画科 建築科 建築システム科 建築設備科
建築第二科 住居科 住居デザイン科 造形科
土木工学に関する類似学科
開発科 海洋科 海洋開発科 海洋土木科 環境造園科 環境科
環境開発科 環境建設科 環境整備科 環境設計科 環境土木科 環境緑化科
環境緑地科 建設科 建設環境科 建設技術科 建設基礎科 建設工業科
建設システム科 建築土木科 鉱山土木科 構造科 砂防科 資源開発科
社会開発科 社会建設科 森林工学科 森林土木科 水工土木科 生活環境科学科
生産環境科 造園科 造園デザイン科 造園土木科 造園緑地科 造園林科
地域開発科学科 治山学科 地質科 土木科 土木海洋科 土木環境科
土木建設科 土木建築科 土木地質科 農林土木科 緑地造園科 緑地科
緑地土木科 林業工学科 林業土木科 林業緑地科 農業開発科 農業技術科
農業土木科 農林工学科 農業工学科

類似学科については、学科名の末尾の「科」「学科」「工学科」は、他のいずれにも置き換えが可能です。ただし、青色表記の「森林工学科」「農林工学科」「農業工学科」「林業工学科」については、置き換えることができません。

上記の類似学科名に記載がない学科でも、履修内容が上記のような土木・建築に関するものであると認められる場合は、個別相談により指定学科とみなしてもらえるケースもあります。この場合は、卒業証明書とあわせて履修証明書や成績証明書など取り寄せ、どのような内容の学習をしたかを提示して事前に審査庁に相談しましょう。

実務経験により専任技術者になる場合(特定建設業)

石工事業の場合、資格が無くても次の実務経験によって専任技術者になることができます。

  • 一般建設業の技術者要件に該当する者のうち、発注者から直接請負い、その請負金額が4,500万円以上である工事に関して、2年以上指導監督的な実務経験を有する者

石工事の実務経験証明方法

石工事業の専任技術者の要件を実務経験により満たすためには、経験を有することはもちろんですが、その経験を書類で証明できるかどうかが重要です。

石工事の実務経験を証明するうえで最初に確認するべきことは、経験を積んだ企業が、在籍時に石工事業の建設業許可を受けていたかどうかです。

許可あり企業の場合と許可なし企業の場合の必要書類は次のとおりです。

許可あり企業での経験の場合

  • 被保険者記録照会回答票
  • 建設業許可通知書の写し
  • 専任技術者証明書
  • 実務経験証明書
  • 指定学科の卒業証明書
  • 健康保険被保険者証の写し

許可なし企業での経験の場合

  • 被保険者記録照会回答票
  • 工事請負契約書等
  • 専任技術者証明書
  • 実務経験証明書
  • 指定学科の卒業証明書
  • 健康保険被保険者証の写し

被保険者記録照会回答票

この書類は、いわゆる専任技術者になろうとする人のこれまでの年金記録のことです。

年金事務所に行くと即日発行してもらえる書類で、どの企業の厚生年金保険にいつからいつまで加入していたかを確認できます。

この書類により、まずは石工事を経験した企業に常勤で在席していたことを証明します。

POINT
審査庁によっては取締役として登記されていれば厚生年金保険に加入していなくても過去の常勤を認めるというルールを設けている場合があります。
実務経験証明証明の準備着手時に申請先の自治体に確認するといいでしょう。

建設業許可通知書の写し

建設業許可新規取得時、5年に一度の更新時にすべての会社・個人に発行される書類です。

A4一枚の普通紙で発行されますが、とても重要な書類で、建設業許可の業種や有効期限が記載されています。

建設業許可通知書に石工事業と記載があり、その有効期間中、被保険者記録照会回答票によってその企業に在籍していたことを証明できれば、その期間における石工事の実務経験が認められることが多いです。

ただし、通知書に記載されている許可の有効期間の満了時に更新手続きをせず、許可が抹消されている企業については、抹消の日までの経験を認めてくれる行政庁と認めてくれない行政庁に分かれるため、必ず事前確認をしましょう。

POINT
建設業許可申請の実務においては、許可の通知書がなくても、行政側が行政内での確認により許可の有無を確かめてくれる場合が多いです。
許可の通知書が手に入らない場合は申請先の窓口に問い合わせしましょう。

工事請負契約書等

石工事業の建設業許可を受けていない企業でも、500万円以下の石工事については請負い及び施工をすることができます。

このような、石工事業の建設業許可を受けていない企業における経験も専任技術者の実務経験年数に含めることができますが、この場合、石工事を請負っていたことを証明するため、工事請負契約書等を証明する期間通年分用意しなければなりません。

工事請負契約書がない場合は、

  • 注文書
  • 請書
  • 請求書(通帳で入金確認)

などでも、石工事を請負い、施工していることが確認できれば経験は認められます。

専任技術者証明書

建設業許可申請書類のなかに、様式八号の専任技術者証明書という書式があります。

【例】様式第八号 専任技術者証明書(東京都都市整備局Webサイト)

ここには、専任技術者の氏名、住所、生年月日等の個人情報の他、専任技術者が担当する業種ごとの資格の種類または実務経験など、どのように要件を満たしているのかを、記号により記載することになっています。

実務経験証明書

続いて、様式第九号の実務経験証明書という書式があります。

【例】様式第九号 実務経験証明書(東京都都市整備局Webサイト)

この書類は、専任技術者の要件を実務経験で満たす場合にのみ必要となる書類で、資格により要件を満たす場合は不要です。

実際に担当した石工事について具体的に記載し、その経験年月が必要な期間を満たすように記載しましょう。

前記の被保険者記録照会回答票における厚生年金加入の期間、石工事業の建設業許可が有効であった期間、または工事請負契約等が用意できる期間と同期間の経験を記載する必要があります。

指定学科の卒業証明書

前記の土木工学または建築学に関する学歴により実務経験証明年数を短縮する場合、学校から卒業証明書を取り寄せて、基本的には原本を提出することになっています。

卒業証明書の取り寄せ方法は、学校ごとに案内があるはずなので、卒業した学校に確認してみましょう。

健康保険被保険者証の写し

専任技術者が、建設業許可を申請する企業に現在常勤であることを健康保険証の写しを提出することにより証明します。

後期高齢者である場合や、健康保険組合のカードデザインの都合上、健康保険証に申請する企業名が記載されていない場合は、健康保険証の写しとあわせて、次のいずれかの書類等により常勤を証明する必要があります。

  • 健康保険・厚生年金保険の標準報酬決定通知書
  • 住民税特別徴収税額決定通知書
  • 法人の場合は直近の法人税確定申告書における役員報酬明細
  • 個人事業の場合は直近の確定申告書
  • 被保険者記録照会回答票
  • 健康保険組合発行の資格証明書

※上記一覧は申請先ごとの審査基準により異なる可能性があります。

※神奈川県等、一部の審査庁では専任技術者が代表取締役である場合には健康保険証の写しを求めないという取り扱いもあります。

専任技術者の詳しい解説はこちら

石工事業まとめ

石工事業は、文字通り石材を取扱う工事ですが、類似業種の判定が難しい業種でもあります。

自社が請負い、施工する工事が石工事業に該当するかをしっかり検討し、専任技術者の要件を満たしているのかも確認の上、建設業許可申請を進めるようにしましょう。

建設業許可全体の要件はこちら

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行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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