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コラム

COLUMN
2021.10.10

相続による建設業許可の承継について解説

建設業許可を受けている個人事業主が死亡した場合、相続人は一定の要件を満たすことで被相続人の建設業者の地位を承継し、建設業許可を引き継ぐことができます。

いざ相続が発生してから慌てないために、事前にその概要やルールを確認しておきましょう。

すべての許可業種を承継する

相続による建設業許可の承継は、被相続人のすべての許可業種を承継することが条件であり、一部の許可業種のみを相続することは認められません。

被相続人が受けているすべての許可業種につき、相続人が被相続人死亡日の時点で要件を満たしているかを確認しましょう。

承継できない業種は一部廃業

【例】被相続人が建築一式と内装仕上の2業種を取得しているが、相続人は内装仕上の許可要件しか満たすことができない。

上記のような場合、被相続人の建築一式の許可を一部廃業することにより、被相続人の建設業許可が内装仕上のみとなり、内装仕上の要件を満たす相続人は「すべての許可業種」を承継することができます。

建設業者としての地位を承継する

相続により建設業許可を承継すると、建設業者としての地位をまるごとこと引き継ぐことになります。

建設業許可を受けたことによって発生する権利と義務の総体について被相続人と同じ地位に立つことになるので、相続人は、被相続人の受けた監督処分や経営事項審査の結果についても承継することになります。

刑法上の罰は引き継がれない

刑法上の罰はあくまで個人に対して課された刑罰のため相続人に引き継がれません。

許可承継の認可申請

相続人が建設業許可を引き継ぐ場合、被相続人の死亡後30日以内に申請して認可を受ける必要があります。

都道府県知事に申請するケース

  • 被相続人が都道府県知事許可を受けていたとき

国土交通大臣に申請するケース

  • 被相続人が国土交通大臣許可を受けていたとき
  • 被相続人が都道府県知事許可を受けていて、相続人が国土交通大臣の許可を受けているとき
  • 被相続人が都道府県知事許可を受けていて、相続人が当該都道府県知事以外の都道府県知事の許可を受けているとき

認可申請の必要書類

相続認可申請の審査については、申請人と被相続人の続柄を証する書類、相続人同意書等の相続特有の書類を除いて基本的には通常の新規申請とあまりかわりはありません。

続柄を証明する書類

戸籍謄本(除籍)により、被相続人の死亡の年月日及び申請者との相続関係を証明します。

建設業許可に関係なく、相続が発生したら戸籍謄本を取得することになるので、建設業許可用にも余分に取得しておくと良いでしょう。

相続人全員の同意書

被相続人の建設業者としての地位を、相続人のうちの1人(申請人)が承継することについて相続人全員が同意していることを証明する書面です。

この同意書については、審査行政庁により微妙に取扱いが異なるので必ず申請先の行政庁が発行している手引きにより確認しましょう。

相続人は許可要件を満たしているか

相続により建設業許可を承継するには、相続人が建設業許可取得の要件をすべて満たしている必要があります。

  • 常勤役員等が在籍している
  • 専任技術者が在籍している
  • 財産的基礎を有している
  • 営業所に独立性がある
  • 欠格要件に該当しない
  • 社会保険に加入している(適用事業所の場合)

常勤役員等の在籍

相続人が個人で建設業許可を受けるには、建設業における取締役等(個人事業主も可)の経験が5年以上、または経営業務の管理責任者に準ずる地位の経験6年以上の経験が必要です。

相続による許可承継の場合、被相続人の個人事業において経営業務の管理責任者に準ずる地位としての経験を使用するケースも想定されますが、この準ずる地位の審査は非常に厳しいので慎重に検討が必要です。

常勤役員等の解説コラム

専任技術者

建設業許可を受けようとする業種について、その技術的要件を満たす「専任技術者」を営業所に常勤で置く必要があります。

専任技術者には、業種に対応した「資格保有者」または「一定年数以上の実務経験者」のみがなることができます。

専任技術者の解説コラム

その他の要件

財産的基礎、営業所の独立性、欠格要件、社会保険についてはこの記事では省略しますが、興味のある方は解説コラムをご覧ください。

財産的基礎の解説コラム

営業所要件の解説コラム

欠格要件の解説コラム

許可承継後の許可番号

相続人が相続後に使用する許可番号については、被相続人のものを引き続き使用することとされていますが、相続人がもともと建設業許可業者である場合は、相続人が使用する許可番号を選択することができることになっています。

都道府県知事から国土交通大臣に変更の場合

この場合は、国土交通大臣許可番号が新たに付されます。

建設業許可の相続まとめ

相続による建設業許可の承継には申請期限があり、その他の相続手続きに追われる中、相続人が要件や申請方法を調べて30日以内に認可申請を進めるのは非常に大変です。

また、相続人が建設業許可を受けていない事業主である場合、常勤役員(経営業務の管理責任者)や、場合によっては実務経験の証明で大変な労力を要します。

相続発生前の相談がベスト

建設業許可の相続は「相続人が許可要件を満たしているか」「相続人全員の同意が得られるか」の2つにかかっています。

相続発生前に余裕をもって建設業に強い行政書士に相談することで、相続による許可の承継がスムーズに行えるように例えば以下のような対策を案内できるかもしれません。

  • 準ずる地位の経験が認められるための準備
  • 許可承継に必要な国家資格取得または資格者の採用
  • 相続人全員の同意のための遺言作成
  • グループ会社などで取締役経験を積む
  • 法人成りしてしまう

被相続人が大切に維持してきた建設業許可を確実に承継できるよう、相続についてはお早めにご相談ください。

【国土交通省】許可承継資料まとめはこちら

行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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他の行政書士には許可をとれないと言われた事業者様の建設業許可を、問題なくスムーズに取得できるケースも非常に多いです。行政書士の業務は多岐にわたるので、建設業許可に詳しくない事務所も当然あります。

「近所だから」「安いから」という理由だけで依頼する行政書士を選ぶと、許可取得までに時間がかかったり、許可を取得できないということも考えられます。特殊な法律やルールの多い建設業に関する手続きは、専門の行政書士にご相談いただけることを願います。