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コラム

COLUMN
2023.01.12

建設業許可の区分|「一般/特定」と「大臣許可/知事許可」について

建設業許可は1つの業種において異なる区分、例えば特定建設業と一般建設業の両方を取得したり、一部の業種だけ大臣許可にして他は知事許可で取得したりすることはできません。

どの区分の建設業許可を取得すべきかは、自社の状況や方向性に合わせて選ぶことになります。今回は一般建設業と特定建設業、大臣許可と知事許可の違いを中心に解説します。

建設業許可の業種区分の違いについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

この記事では、建設業許可の区分について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

複数ある建設業許可の区分

建設業法上、建設業許可は次の区分に分かれています。

  • ①特定建設業と一般建設
  • ②国交省大臣許可と都道府県知事許可

①は元請業者が発注する下請け工事の1件あたりの金額による区分、

②は営業所がある場所による区分になります。

自社の業態に合った許可を選び、取得することとなります。

特定建設業と一般建設業の違い|元請業者として大規模な工事を下請業者に発注するかどうか

特定建設業とは、「元請業者」の立場で請負った工事を下請業者に4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)で発注する場合に必要な許可です。

複数の下請け業者に発注する場合は、その合計額が以上の金額になる場合も含まれます。少々分かりづらいのですが、これはあくまで発注金額の制限であり、請負金額には制限がありません。

例えば10億円の工事を元請として請負った場合でも、制限以上の金額を下請業者に発注することなく自社で施工する場合は、一般建設業でも問題ないということになります。また、自社が「元請業者」でない場合は、1億円の下請発注をする場合でも特定建設業ではありません。

つまり、自社が1次下請の場合は再下請工事を発注しても特定建設業にはあたりません。自社が請け負っている工事、今後請け負っていきたい工事に特定建設業が必要かどうか確認し、取得に必要な準備を計画的に進めていきましょう。

元請業者の立場とは?
建設工事における元請業者の立場とは、建築工事や室内設備工事であれば建物の所有者、土木工事や外構工事であれば土地の所有者など、いわゆる施主と直接請負契約を締結する建設事業者のことをいいます。

大臣許可と知事許可の違いは営業所をどこに設置するかどうか

国交省大臣許可(以下「大臣許可」)と都道府県知事許可(以下「知事許可」)の違いは、営業所が2つ以上の都道府県に存在するかどうかにあります。

  • 大臣許可・・・営業所が2つ以上の都道府県にある場合
  • 知事許可・・・営業所が1つの都道府県にのみある場合

1つの都道府県内に営業所がある場合は最初に知事許可を取得します。その後複数の都道府県に営業所を設けて建設業を営業する場合は、大臣許可への変更手続きを行うことになります。

建設業法において「営業所」とは、常時建設工事に対する見積もり、入札、請負契約等の実体的な業務を行う事務所をいいます。「営業所」となるには、建設業許可営業所として届出をします。

なお、単なる工事事務所、連絡所、置き場、海外の支店等は「営業所」に該当しません。また、複数の事業を行う企業で、建設工事以外の事業だけを行う事務所(例:物販のみ)は、常時建設工事に関する実体的な業務を行うとは言えないので、「営業所」にはあたりません。

許可業種は同じ区分でないと取得できない

以上の許可をまとめると、次のような分類ができます。

  • ①「大臣許可」の「特定建設業」
  • ②「大臣許可」の「一般建設業」
  • ③「知事許可」の「特定建設業」
  • ④「知事許可」の「一般建設業」

なお、1つの業種について一般と特定両方の許可を取得することはできません。また、同一の事業者が一部の業種を大臣許可、他の業種を知事許可で取得することもできません。

自社がどの区分を選べばいいのか、状況と照らし合わせて検討しましょう。

建設業許可の区分まとめ

  • 元請工事で大規模な工事を受注しようとするのであれば、特定建設業の取得に向けて準備する
  • 2つ以上の都道府県に営業所を構える場合は大臣許可を取得する
  • 許可業種は同じ区分でなければならない

建設業許可の業種区分については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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