経営事項審査(以下「経審」といいます)は、公共工事を受注するために必要な重要な審査制度です。この制度は、建設業者の経営状況や技術力、社会性を評価するために設けられています。
公共工事の入札に参加する建設業者は、この経審の結果をひとつの判定基準として格付が行われ、入札の際の選考基準として利用されます。
経審は、公共工事を発注する行政機関が公平性と透明性を確保するために必要不可欠な手続きであり、建設業者にとっても自身の経営状況を客観的に評価する機会となります。
このコラムでは、経審の仕組みや流れ、評価項目、ポイントアップの方法などについて詳しく解説します。
目次
経審が必要な理由
公共工事は、税金を原資として実施されるため、発注者は適正な業者を選定する責任があります。そのため、工事の品質確保と適切な予算管理のため、経審は以下の目的で導入されています。
経営の安定性を確認
業者が工事を遂行する能力を持っているかを評価します。
技術力の評価
適切な技術力を有しているか確認します。
社会性のチェック
法令遵守や社会的責任を果たしているかを審査します。
このように、経審は公共工事の品質確保と適切な予算管理に寄与しています。
公共工事入札参加までの流れ
経営事項審査は、公共工事入札参加資格を得るために必要な手順の一部です。経審を受ければ自動的に入札に参加できるというわけではないので、その前後の手続きも把握しておきましょう。
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経審の評価基準
行政庁によって審査が行われ、経審を申請した業種ごとに総合評定値(P)が算出されます。この評点は以下の4つの要素から構成されています:
完成工事高(X1)
経営規模(X2)
経営状況(Y)
技術力(Z)
社会性等(W)
評価項目の詳細
経審で評価される各項目について詳しく見ていきましょう。
完成工事高(X1)
業種ごとの完成工事高の直近2年または3年の平均額により評価されます。
完成工事高が大きいほど高評価となります。
経営規模(X2)
自己資本額と平均利益額から算出される数値により評価されます。
X1同様大きいほど高評価となります。
経営状況(Y)
財務諸表を基に経営状況を数値化し評価されます。
技術力(Z)
業種ごとの元請完成工事高と技術職員の人数から算出される数値により評価されます。
社会性等(W)
安全管理体制や社会貢献等の加点項目、法令違反等の減点項目への該当の有無により算出される数値により評価されます。
総合評定値Pの算出方法
総合評定値(P)=完成工事高×0.25(X1)+自己資本額及び平均利益額×0.15(X2)+経営状況分析×0.20(Y)+元請工事高及び技術職員数×0.25(Z)+社会性等×0.15(W)
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行政書士の役割
経審の申請手続きや書類作成は複雑で専門的な知識が求められるため、建設業に強い行政書士に依頼することをおすすめします。行政書士法人ストレートでは、以下のサポートを提供しています。
必要書類の作成支援
書類の精査と申請代行
経営改善に向けたアドバイス
特に経審が初めての場合や、評点をアップさせたい場合は、専門家の助言を受けることでスムーズに進めることができます。
経審を活用して競争力を高めよう
経営事項審査は、単なる評価制度ではなく、企業の強みや課題を明確にし、経営改善につなげるためのツールです。高い評点を獲得することで、公共工事の受注チャンスが広がり、企業としての競争力も向上します。ぜひ、行政書士と連携しながら、効率的に経審を活用していきましょう。