建設工事の請負契約書には、建設業法第19条第1項において絶対に記載しなければならない事項が定められています。
令和6年12月13日から、請負契約書の法定記載事項に追加がありましたので紹介します。
まずは法定記載事項に関する条文を確認しましょう。改正があったのはマーカー部分の第8号のみです。
建設業法第19条第1項(建設工事の請負契約の内容)
第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。
一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
五 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
六 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
七 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
八 価格等の変動又は変更に基づく工事内容の変更又は請負代金の額の変更及びその額の算定方法に関する定め
九 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
十 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
十一 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
十二 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
十三 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
十四 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
十五 契約に関する紛争の解決方法
十六 その他国土交通省令で定める事項
新旧条文の比較(第8号) | |
【旧】価格等の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更 | 【新】価格等の変動又は変更に基づく工事内容の変更又は請負代金の額の変更及びその額の算定方法に関する定め |
これまでは、物価や賃金の上昇等による請負代金の額又は工事内容の変更について記載されていればOKでしたが、この度の改正により、その請負代金の額の変更に関する算定方法に関する定めの記載が必要となりました。
もともとこの算定方法を定めている請負契約書を使用している建設業者は特に対応不要ですが、算定方法の定めがない請負契約書を使用している建設業者はフォーマット変更の必要があります。
建設業法第19条第1項第8号に関して、改正後の内容に対応した請負契約書の例文を記載しておきますので、是非ご参考にしてください。
第○○条 発注者又は受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、相手方に対して、その理由を明示して必要と認められる請負代金額の変更を求めることができる。
一 工事の追加又は変更があったとき。
二 工期の変更があったとき。
三 発注者の指示により関連工事の調整に従ったために増加費用が生じたとき。
四 支給材料又は貸与品について、品目、数量、受渡時期、受渡場所又は返還場所の変更があったとき。
五 契約期間内に予期することのできない法令の制定若しくは改廃又は経済事情の激変等によって、請負代金額が明らかに適当でないと認められるとき。
六 長期にわたる契約で、法令の制定若しくは改廃又は物価、賃金等の変動によって、この契約を締結した時から一年を経過した後の工事部分に対する請負代金相当額が適当でないと認められるとき。
七 中止した工事又は災害を受けた工事を続行する場合において、請負代金額が明らかに適当でないと認められるとき。
2 請負代金額を変更するときは、原則として、工事の減少部分については発注者の確認を受けた請負代金内訳書の単価により、増加部分については時価による。
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