建設業許可申請は、行政書士が申請しなければならないというものではなく、建設業者自身でも申請手続きを行うことが認められています。
これは、税務署への確定申告を税理士に依頼しなくても制度上、自分できるのと同じです。
この記事は、法律上は自分でもできる建設業許可申請を行政書士に依頼するべきかどうかについて判断するヒントにしていただくことを目的としています。
目次
許可申請を自分で進める場合
まずは、自分で建設業許可申請を進める場合の流れを確認してみましょう。
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許可申請を行政書士に依頼する場合
続いて、建設業許可申請一式を行政書士に依頼する場合の流れを紹介します。
※以下は、ストレート行政書士事務所に依頼した場合の流れであり、他事務所の流れと同一とは限りません。
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自分で申請を進める場合にかかる費用
建設業許可申請には法定費用があり、行政書士に依頼せず自分で新規申請をする場合でも、次のとおりの金額を行政に収める必要があります。
- 国土交通大臣許可:15万円
- 都道府県知事許可:9万円
この申請にかかる法定費用は「審査費用」という位置付けありで、審査の結果不許可とされた場合でも返金されないので注意しましょう。
また、登記事項証明書、納税証明書、登記されてないことの証明書などの実費も発生します。
行政書士に依頼する場合の費用
行政書士に申請を依頼する場合、上記の法定費用とは別で報酬額がかかり、10万円~35万円くらいが相場になっています。
報酬額の幅が広い理由
行政書士の報酬額相場に幅があるのは、許可要件をどのように満たすかによって、申請の難易度や準備の作業量が大きく異なるためです。
建設業許可を受けている会社で取締役5年以上の経験あり+資格者が在籍
このような場合は、過去の経験などを証明する必要がなく、スムーズに許可を取得することができるため、費用も抑えられることが多いです。
建設業許可を受けている会社での取締役経験なし+資格等がいない
このような場合は、建設業に関する経営経験や、申請する業種についての実務経験を、過去の資料等を精査して証明していくことになるので、申請の難易度や行政書士の作業量が多くなり、費用も前者に比べかさむことがあります。
行政書士に依頼するメリット
行政書士に依頼するメリットのうち、代表的なものは次のとおりです。
- 許可申請の成功率が上がる
- 労力が大幅に軽減される
- はやく許可を取得することができる
許可申請の成功率が上がる
手引きに記載してある書類が揃わなくても、過去の経験を証明できるケースは多くあります。
お客様の経験をもとに、あらゆる可能性を検討し、許可取得まで導きます。
労力が大幅に軽減される
手引きを読み込み、書類を複数の役所から取り寄せ、書類を作成し、行政担当者とやり取りをするには多くの労力を要します。
行政書士に依頼する場合は、行政書士の指示どおりに資料を提供し、委任状に押印するだけで申請が進むので本業に専念できます。
はやく許可を取得することができる
行政書士は、許可要件や必要書類が頭に入っているので、許可申請日から逆算して最短でスケジュールを組みます。
自分で進める場合、最初の申請までに平均2か月ほどかかるようですが、建設業許可申請を得意としている行政書士事務所に依頼すると最短3日での申請も可能です。
行政書士に依頼するデメリット
建設業許可を行政書士に依頼するデメリットは、やはり費用がかかることです。
ただし、行政書士は業務の範囲がとても広いため、建設業許可申請が得意ではない申請経験の少ない行政書士も多くいるので、依頼先の選定には注意が必要です。
まとめ
行政書士に依頼するか迷ったら、まずは「無料相談による要件診断」と「見積書の提示」を受けてみてはいかがでしょうか。
ここまでなら費用が発生しない事務所がほとんどなので損することはないはずです。
無料相談により信頼できる行政書士かどうかを判断し、また、見積金額が、この記事で説明したメリットを受けられるサービスとして高くないと判断できたら正式に依頼をしましょう。
特に次のような場合は、行政書士に相談してみることをオススメします。
- 確実に許可を取得したい
- 1日でも早く許可を取得したい
- 昼間に役所をまわる時間がない
- 申請準備を進める時間がない
- 許可取得後のことも聞きたい
- 実務経験の証明が必要である
- 面倒くさいことはしたくない